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原発 汚染水処理 コスト(1)

 福島原発の汚染水処理費用で情報が錯綜している。最初はNEWSポストセブンの「1トン2億円」という記事・・・①が目に入ってきた。日を置いて「25万トンで531億円」という読売新聞・・・②の記事が目に入ってきた。

 そして今日(5月29日)、

 『アレバ・ジャパン、レミー・オトベール社長:「浄化システムのすべてを合わせた費用は数十億円です。システムは固定価格で提供します」
 アレバ社の浄化システムをめぐっては、処理に「兆円単位の費用がかかる」という指摘が出ています。これに対して、アレバ社日本法人のオトベール社長は、福島第一原発から出る汚染水の処理費用として数十億円で東京電力と契約したことを明らかにしました。また、浄化システムの稼働が来月半ばにずれ込んだことについて、アレバのシステムではなく、ほかのメーカーの遅れが原因だと説明しました。』
・・・③という動画つきの記事に行き当たった。このテレ朝NEWSは5月27日14時55分付けとなっていて、読売新聞の記事より約7時間前に報道されていることになる。

 テレ朝の報道は、汚染水処理プラントには複数の企業がかかわっており、アレバが東電と契約したのは汚染水の処理プラントの一部分(おそらくプラントの主要部分)で、その額が数十億円であるとしている。アレバとしては包括的な汚染水処理の請負などは意図するところではなく、共沈処理による放射性物質の除去の手法とプラントの提供そして共沈処理剤の提供はするので、それから先は東電側でやりなさいということなのだろう。

 東電の発表は上記のような事情を元に算出されたものとみてよいだろう。ここで注意しておく必要があることは、25万トンの汚染水の処理費用531億円には汚染水から共沈処理により沈殿された放射性物質の処理費用は含まれていないだろうということだ。東電は25万トンの汚染水と言ってはいるが(それに含まれる)汚染物質(放射性物質)何トンとは言ってないことがその理由だ。汚染水の処理が始まり共沈処理により取り出される汚染物質の構成や量が明らかになってきた時点で、それの処理方法や処理費用がまとまる事になる。

 25万トンの汚染水という数字も問題含みだろう。現時点ですでに6万トンの汚染水が発生している。それに加えて毎時25トン程度の新たな冷却水が投入されている。このペースで行けば、これから発生する汚染水だけでも、8000時間で20万トンに達する。8000時間は333日であるので一年後には25万トンを超過していることになる。冷却水の投入は、その量が減ることはあるだろうが、原子炉から燃料を取り出すまでは継続されることになる。おそらく数年は冷却水の投入(循環であっても投入と変わりは無い)が続くことになることを考えると25万トンは楽観的過ぎる数字だろう。

 テレ朝の報道に気付くまでは、NEWSポストセブンの記事は1000トン(1キロトン)2億円の数字を何処かで(情報提供者側かNEWSポストセブン側のどちらかまたは両方が)取り違えて記事にしてしまったのだろうと考えていた。今また考え直してみると、この話は錯誤とかの範囲を超えたものがあるのではないかという気がしてきたが、それはまた別の機会に。


ということで、また明日。


仏・アレバ社 原発汚染水処理費用に1トン2億円を提示 2011.05.25 07:00 NEWSポストセブン・・・①

汚染水25万トンの処理に531億円…東電試算 2011年5月27日22時03分 読売新聞・・・②

仏アレバ社 汚染水浄化費用は数十億円 05/27 14:55 テレ朝NEWS・・・③

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