日本円がなぜ高いのか?

 昨日(9月25日)のエントリで、「円高の理由」について以下のように記した。


 『「円高の理由」について、「日本の金利はすでにこれ以上下げ余地のない水準まで来ている。よって金利の引き下げによる日本円の下落リスクは無い。それで消去法的に円が買われているのではないか」という説がある。通常高金利国の通貨は買われる傾向があるが、経済情勢が不安定となりリスク回避の姿勢が明確になってくると、高金利国通貨はリスクが大きいという面が表に出てきて売りの対象になるということらしい。ブラジルの利下げによるレアルの急落を見ると、御説ごもっともという感じがしてくる。』


 今日になって、読み直してみると「円の下落リスクが、他の通貨(米ドル、ユーロ、ブラジルレアル、英ポンド、豪ドル他)の下落リスクより、少ないから買われている。」というだけでは説明不足であることに気づいたので、補足しておく。


 おそらく、他通貨を円に交換している人々は、「世界の経済情勢がこのまま悪化していけば、高金利国は早晩利下げに動く可能性が高い。それならば今のうちに、高金利国通貨を利下げの可能性の無い日本円に交換しておいて、高金利国が利下げをして為替レートが下落したときに買い戻せば利益がでる。」という考えで動いているのだと思う。「仮に経済情勢が悪化せずに、回復の方向に向いたとしても、日本の経済によい影響はあっても悪い影響は無いから、円の下落リスクは低く、損失はきわめて限定的で円買いを否定する材料にはならない。」という判断もあるに違いない。

 要するに、日本と他国との金利差の縮小を読んで、日本円買いを進めているのであって、彼らからすれば疑う余地の無いことに違いない。


 ここのところ、資源価格が値を下げているが、これについても景気後退に伴う資源価格の下落を見越しての、商品先物売りが絡んでいるのだろう。


 為替にしろ、資源価格にしろ、それらの動向で商売をしている人々は、もっと緻密な計算に基づいて行動しているのだろうが、どんな要素が考慮されているのか想像のしようも無い。

 そしてある日、日本円が売られ値を下げはじめる。あるいは、資源価格が再び上昇する。そんな日が来たとしても、それが数日のものなのか、数週間のものなのか、数ヶ月のものなのか、数年に渡るのものなのか、おそらくわからないのだろう。

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新興国が自国通貨買いに動く

 9月25日の日経新聞に、新興国の中で自国通貨買い(自国通貨の買い支え)の動きありという記事が掲載されていた。


 ブラジル中銀は、22日実質的なレアル買いドル売りを実施。レアルは8月31日の利下げ決定から下げ足を早め、9月22日には一時、前月末比で18%の下落となっていた。

 ポーランド中銀は、22日「相当量の外国通貨を売却した」と発表した。ポーランドのズロチは対ユーロで8%を超える値下がりをしていた。

 インドネシア中銀は、22、23日にルピア買い介入を実施。ルピアは対ドルで、前月末比5%の下落をしていた。

 韓国通貨当局は、23日ウォン買い介入を行った模様。

 などが記事で触れられている。


 自国通貨安に歯留めをかけようとしている国がある一方で、スイスや日本は自国通貨高に苦しんでいて、自国通貨高に歯止めをかけようとしている。

 スイスは自国通貨高の防衛に強硬で、9月6日に1ユーロが1.2スイスフラン以下になったら無制限の外貨購入(ユーロ買い・フラン売り)を行う準備があるということを表明している。


 為替の介入には、自国通貨の買い介入と、自国通貨の売り介入がある。

 スイスの表明したのは「自国通貨の売り」であるわけだが、この場合「無制限に行うことは、弊害が生じる恐れがあるが、可能である。」という。なぜか。自国通貨を無制限に発行すれば無制限に売ることが可能であるからだ。要するに、紙幣を印刷しまくれば、売り介入に制限などないということだ。

 一方自国通貨の買い介入は無制限というわけには行かない。保有している外貨あるいは金(ゴールド)が底をついたら、それ以上はかなり困難になる。


 こういう状況からわかることは、世界的に見ると「ドル安円高」ではなく、「ドル高、ドル高を上回るスイスフラン高、ドル高を上回る円高」ということらしいということだ。

 「円高の理由」について、「日本の金利はすでにこれ以上下げ余地のない水準まで来ている。よって金利の引き下げによる日本円の下落リスクは無い。それで消去法的に円が買われているのではないか」という説がある。通常高金利国の通貨は買われる傾向があるが、経済情勢が不安定となりリスク回避の姿勢が明確になってくると、高金利国通貨はリスクが大きいという面が表に出てきて売りの対象になるということらしい。ブラジルの利下げによるレアルの急落を見ると、御説ごもっともという感じがしてくる。


 自国通貨買いに動いた国があるということに話を戻すことにする。「自国通貨買い」は「ドル売り、ユーロ売り、金(ゴールド)売り」ということだから、「ドル、ユーロ、ゴールド」の値下がり圧力が増加するということになる。ユーロ、ゴールドは値下がり傾向が出始めている。ドルは値下がり傾向にあるようには見えない。ドルは、米国の低金利政策が進行し、金利引き下げ余地が縮小した結果、米国の利下げによるドルの下落リスクが低下し、リスク回避先として米ドルが浮上してきたため、簡単には安くならないということなのだろう。


 あれこれ書いていて、ふと思いついたのだが、円売りドル買い介入が、世界の顰蹙を買うのなら、ゴールド買いを行ったらいいのではないだろうか。ゴールドは外貨準備の一部としてとしてかなりの量を保有している国があるが、日本は外貨準備としてのゴールドはほとんど保有していない。そこで外貨準備に占めるゴールドの割合を高めるという方針を打ち出して、粛々とゴールドを買うというわけだ。もちろん問題が無いわけではない。問題は、高値圏でのゴールド買いになりそうということだ。

オバマ大統領 議会演説

 米国のオバマ大統領の議会演説を見て非常に驚いた。

 日本時間の9日午前8時過ぎから行われた演説の冒頭から15分ほどを、ネットのライブ配信で見たのだが、原稿もメモもなしで、よどみなくテンポ良く演説する。途中、一度だけ、わずかに引っかかったが、すらすらと言葉が出てくる。大統領に当選するだけのことはあるとわかった。

 テレビを見ないので、写真でしか姿を見たことがなかった。写真でみると、どこかくたびれた感じで、姿勢も悪く、さえない印象だった。この演説の映像を見て、それが間違いだったとわかった。外人にしてはほっそりしていて、華奢な印象はぬぐえないが、姿勢も良いし、何より気合が入っている。

 このての演説を他に見たことがないので比較のしようもないが、非常に演説がうまい人なのではないか。それに非常に頭が良いのだろう。原稿を見ることなく30分もの演説をするのだから、尋常ではない。

 こういうものを見てしまうと、歴史的な名演説といわれるものを、映像で見てみたいものだと思う。

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