PCの消費電力 G860(3)

 ASUS P8P67とIntel G860を使用したPCの消費電力を調べてみた。

 消費電力は「サンワサプライのワットチェッカーPlus」の読みとし、PC全体のものでディスプレーは含まない。

==========

 実験に使用したPCの構成

マザーボード--->ASUS P8P67 REV3.0 B3
CPU--->Intel G860
Memory--->1x4GB(DDR3 1333MHz)
グラフィックスカード--->MSI R5450 MD512D3H LP ECO
HDD--->Seagate STL2000DL 003-9VT166
DVD Drive--->ソニーNECオプティアーク AD-7173S
パワーサプライ--->Cooler Master RS-500-ASAA(80PLUS Standard)
キーボード--->PS/2キーボード(有線)
マウス--->USB接続光学式マウス(有線)
ディスプレー --->1x DVI 1920x1080
OS--->Windows Vista

==========

使用したPCのBIOSの設定(Version 2303のOptimized Defaultからの変更点)

Phase Control<---Optomized
Blue Tooth Controller<---Disabled
VIA 1394 Controller<---Disabled
Marvell Strage Controller<---Disabled
Serial Port<---Disabled

==========

 アイドル状態とPrime95のType-2 FFT実行時の消費電力を調べ下表にまとめた。

CPU倍率アイドル状態(ワット)Type-2 FFT 実行時(ワット)
1650~5162~63
18n/a64~65
21n/a67~68
24n/a69~70
27n/a72~73
30n/a75~76

==========

 シャットダウン時、休止時、スリープ時、Windowsの電源オプションによるディスプレーの電源切断時、スクリーンセーバー(オーロラ)実行時、DVDビデオ再生時の消費電力についても調べた。

シャットダウンーーー>0ワット
休止ーーー>0ワット
スリープーーー>0~3ワット
ディスプレー電源断ーーー>49~50ワット
スクリーンセーバー(オーロラ)ーーー>55~56ワット
DVDビデオ再生ーーー>64~66ワット

==========

モニターをダブル構成(プライマリー 1xDVI 1680x1050,セカンダリー 1xVGA 1920x1080)にした場合についても調べた。

アイドルーーー>51~52ワット
スクリーンセーバー(オーロラ)ーーー>56~57ワット
DVDビデオ再生(セカンダリーに表示)ーーー>66~67ワット

==========

 Sandy Bridgeは消費電力が低いという話を見て、それならばということでためしに購入してみたが、P8P67とG860の場合では全負荷状態の消費電力は低いが、アイドル時あるいは低負荷時の消費電力は低いというよりはむしろ高い部類だということが分かった。G860のような処理能力が低いCPUを選択する者ははじめから高負荷状態での使用など想定していない。インターネットのアクセス、ワープロ、スプレッドシート、ブログ書き、動画再生などの用途の場合、ほとんどがアイドルまたはそれに準じた状態で大きな負荷がかかることはまず無い。

 PCの消費電力 A8-3850(2)に記したが、AMDのA8-3850の消費電力はアイドル状態で37ワット、DVDビデオ再生時で52~54ワットである。それに比べるとG860のアイドル時50~51ワット、DVDビデオ再生時64~66ワットはいただけない。

 しかしG860が素晴らしいのはスクリーンセーバー(オーロラ)実行時の消費電力である。A8-3850の58~60ワットに対して55~56ワットしかかかっていない。A8-3850ではアイドル時に比べて21~23ワット増加しているのに対して、G860ではわずか5ワットの増加に過ぎない。シングルモニタ構成のためかと思って、ダブルモニタ構成に組み替えて実験してみたが、アイドル時に比べて5ワット増加に変化は無い。もちろんA8-3850についても、ダブルモニタ構成、シングルモニタ構成で改めて実験してみたが従前の結果と実質的な変化は無い。

 ということで、スクリーンセーバー(オーロラ)をご愛用の皆様にはIntel G860を推薦したい。それ以外の方にはA8-3850が適当だろう。もちろん高負荷状態が分単位で継続するような処理を専らにしている方には、Intel i7をお勧めしておこう。


 次にG860とA8-3850の処理能力について記しておく。全負荷状態ではG860のほうが処理能力はありそうである。低負荷状態での比較は難しいが、両者ほぼ互角で若干G860が上回っていると思う。

 ところがG860には欠点がある。低負荷状態での処理能力とは、どこかをクリックしたときの展開の早さ、あるいはリターンキーをたたいたときの応答の早さ等ということになる。G860は平均するとA8-3850よりも若干早く応答する。ところが同じことを10回ほど繰り返すと、目に見えて早いときと、目に見えて遅いときが一回ずつぐらいの割合で入ってくる。この早いときと遅いときは、A8-3850の早いときと遅いときよりも、明らかに早いまたは遅い。つまり処理速度のばらつきがかなり大きいということである。処理速度のばらつきは避けられないが、ばらつきの幅が狭く頻度が低いことが望ましい。G860はこの点でかなり見劣りする。

 ということで、G860は処理速度の面でも、消費電力の面でも評価は低くなる。価格面でもマザーボードの価格が高いこと、グラフィックスカードを別途調達する必要があることからして、A8-3850に劣る。(G860の内蔵GPUで満足できる人はG860のほうが価格面では有利かもしれない。)


 最後にG860の信頼性について書いておく。G860(おそらくSandy Brodge共通だと思う)は外乱に弱い傾向が認められる。つまりマザーボードや、メモリーや、グラフィックスカードや、電源の影響を受けやすい傾向があるのではということである。この実験に使用したPCでも映像出力に挙動不審が認められる。マザーボードとCPU以外はAMD 250eやIntel E6750とともに使用してきたパーツで、それらとの組み合わせでは異常は認められなかったものである。

 表示がブラックアウトしたりすると、「パワーサプライが悪い」「電源換えたら直った」などという話を見聞きするが、おそらくSandy Bridgeに関してはCPUやチップセットやマザーボードの設計などに無理があり、結果的に各種のパーツに対する要求水準が上昇してしまっているのだろうと思う。つまりSandy Bridgeは自作機向きのパーツではなく、セットメーカー向きのパーツなのだろうということである。きちんとした環境を整えてやれば、おそらく問題は無いのだろう。ところが半ば一発勝負の自作機では、結構なギャンブルになってしまうということだ。

==========

 この記事は以下の記事と関連している。

Intel G860(1)
Windows 電源管理 G860(2)

スポンサーサイト

PCの消費電力 A8-3850(2)

 Gigabyte A75M-UD2HとAMD A8-3850を使用したPCの消費電力を調べてみた。

 消費電力は「サンワサプライのワットチェッカーPlus」の読みとし、PC全体のものでディスプレーは含まない。

==========

実験に使用したPCの構成

マザーボードーーー>Gigabyte A75M-UD2H
CPUーーー>AMD A8-3850
Memoryーーー>1x4GB(DDR3 1333MHz)
HDDーーー>Seagate STL2000DL 003-9VT166
DVD Driveーーー>Pioneer DVD-RW DVR-212
パワーサプライーーー>Lepa W500-SA 80PLUS (Bronze)
キーボードーーー>PS/2キーボード(有線)
マウスーーー>USB接続光学式マウス(有線)
ディスプレーーー>1 x DVI 1680x1050(プライマリー) 、1 x VGA 1920x1080(セカンダリー)
OSーーー>Windows Vista

==========

使用したPCのBIOSの設定(Version F6cのOptimized Defaultからの変更点)

HDD S.M.A.R.T. Capability<ーーーE
Full Screen Logo<ーーーD
Onboard 1394 Function<ーーーD
Onboard Serial Port<ーーーD
Onboard Parallel Port<ーーーD
Soft Off by Power Button<ーーーDelay 4 Sec
USB Wake Up<ーーーD
PME Event Wake Up<ーーーD
Power On By Key Board<ーーーAny Key

EはEnabledの略。
DはDisabledの略。

==========

 アイドル状態とPrime95のType-2 FFT実行時の消費電力を調べ下表にまとめた。実験は、AMD C6 SupportをDisabledとした場合とEnabledと指定した場合について行った。


 AMD C6 SupportがDisabledの場合
CPU倍率アイドル状態(ワット)Type-2 FFT 実行時(ワット)
84052~53
114060
144067
184076~77
204084
234093
2640104~105
2940118~119


 AMD C6 SupportがEnabledの場合
CPU倍率アイドル状態(ワット)Type-2 FFT 実行時(ワット)
83752
113759~60
143767
183776
203783~84
233793~94
2637106
2937119~120

==========

   シャットダウン時、休止時、スリープ時、スクリーンセーバー(オーロラ)実行時、DVDビデオ再生時についても調べた。

状態C6 DisabeledC6 Enabled
シャットダウン0ワット0ワット
休止0ワット0ワット
スリープ0ワット0ワット
スクリーンセーバー(オーロラ)58~60ワット58~60ワット
DVDビデオ再生53~55ワット52~54ワット

==========

 BIOSのCPU Voltage Controlをマイナス0.100V指定(ノーマル1.400Vに対して1.300V指定になる。)した場合についても調べた。AMD C6 SupportはEnabledに指定している。


アイドル時ーーー>消費電力36ワット、Core Voltage0.896V
Prime95 Type-2 FFT実行時ーーー>消費電力99~100ワット、Core Voltage1.280~1.296V
スクリーンセーバー(オーロラ)実行時ーーー>消費電力56~58ワット
DVDビデオ再生時ーーー>消費電力51~53ワット

==========

 スクリーンセーバー(オーロラ)の消費電力が、DVDビデオの再生に要する電力より大きいのには、少々絶望的な気分になる。

 マイクロソフトは、これを提供することにより、年間どれ位の消費電力の増加を引き起こしていることになるのだろうか?

 ゴテゴテと飾り立てたWindows VistaやWindows 7にまとわりつく余分な消費電力の増加はどれくらいなのだろうか?

 セキュリティーソフトが、バイラスの検出のために費やす消費電力はどれぐらいなのだろうか?

 かつて、電化製品が先を競って省エネの方向へ舵を切っていった時期があったが、今こそコンピューターソフトにも省エネを求めるべき時なのではないだろうか。

 80PLUS Goldのエコ電源を装備した省エネPCに接続されたLEDバックライト装備のエコなディスプレーの上で展開するエコでないスクリーンセーバー。などと考えると、アップルのようにハードもソフトも一体で提供するという方針のほうが正解という気もする。

==========

 この記事は下記の記事と関連している。

Windows 電源管理 A8-3850(1)

Windows 電源管理 A8-3850(1)

 AMDのA8-3850とGigabyteのA75M-UD2Hの組み合わせで、プロセッサの電源管理がどのような形で実装されているのか調べてみた。

==========

 Windows Vistaには、電源オプションとして、「プロセッサの電源管理」という項目があり「最小のプロセッサの状態」と「最大のプロセッサの状態」を設定できる。 

 この設定値を5%から100%まで変化させて、CPU倍率とCore Voltageがどのように変化するか調べてみた。CPU倍率はCPU-Zの(Clocks)Multiplier、Core VoltageはCPU-ZのCore Voltageの値を拾った。

==========

実験に使用したPCの構成

マザーボードーーー>Gigabyte A75M-UD2H
CPUーーー>AMD A8-3850
Memoryーーー>1x4GB(DDR3 1333MHz)
HDDーーー>Seagate STL2000DL 003-9VT166
DVD Driveーーー>Pioneer DVD-RW DVR-212
キーボードーーー>PS/2キーボード(有線)
マウスーーー>USB接続光学式マウス(有線)
ディスプレーーー>1 x DVI 1680x1050(プライマリー) 、1 x VGA 1920x1080(セカンダリー)
OSーーー>Windows Vista

==========

使用したPCのBIOSの設定(Version F6cのOptimized Defaultからの変更点)

HDD S.M.A.R.T. Capability<ーーーE
Full Screen Logo<ーーーD
Onboard 1394 Function<ーーーD
Onboard Serial Port<ーーーD
Onboard Parallel Port<ーーーD
Soft Off by Power Button<ーーーDelay 4 Sec
USB Wake Up<ーーーD
PME Event Wake Up<ーーーD
Power On By Key Board<ーーーAny Key

EはEnabledの略。
DはDisabledの略。

注)BIOSのOptimized DefaultではAMD C6 SupportはDisabledになっている。従ってこの実験はAMD C6 Supportが無効の状態で行っていることになる。AMD C6 Supportを無効にしたまま実験をしているのは、それを有効にするとCPUの振る舞いが複雑すぎて手に余るため、無効とせざるを得ないと言う事情があるからである。

==========

 最大のプロセッサの状態の設定値を100%に設定し、最小のプロセッサの状態の設定値を変化させた場合の結果を下表にまとめた。CPU倍率とCore Voltageはともにアイドル状態の値である。

最小のプロセッサの状態の
設定値(%)
CPU倍率Core Voltage (V)
581.008
1081.008
2081.008
30111.008
40141.008
50181.008
60181.008
65201.008
70231.008
80261.008
90291.008
100291.008

==========

 最小のプロセッサの状態の設定値を5%に設定し、最大のプロセッサの状態の設定値を変化させた場合の結果を下表にまとめた。CPU倍率とCore VoltageはともにPrime95(Blend)実行時の値である。

最大のプロセッサの状態の
設定値(%)
CPU倍率Core Voltage (V)
581.008
1081.008
2081.008
3081.008
40111.072
50141.136
60141.136
65181.200
70201.248
80231.296
90261.349
100291.392

==========

 最小/最大のプロセッサの状態の設定値を変えると、そのシステムに実装されたCPUの動作の範囲が変化する。この範囲は実装されているCPUの種類、CPUのクロックスピード、マザーボードの種類により変化すると考えてよいだろう。

 さて上記の二つの表を見比べてみると少々ちぐはぐなところが見て取れる。50%のところを見ると、CPU倍率が最小側では18倍に、最大側では14倍になっている。その両者を50%と指定したらどうなるのだろうかという疑問が生じる。ということで、その辺りを下表にまとめてみた。

最小側の設定値(%)最大側の設定値(%)CPU倍率Core Voltage (V)
5040181.200
5050181.200
5060181.200
5070201.248

 どうもCPU倍率の値が大きいほうが採用されるようである。

==========

 昨年の6月ぐらいから、それまで使用していたIntelベースのPCの調子がよくないためPCの入れ替えをしてきた。これまでPCの消費電力など気にしたことが無かったが、福島第一原発の事故に起因する電力不足ということもあって、そこそこ省電力で使用感にも問題の無いPCを目標にあれこれ試してきた。

 このPCの電源管理については、ASRock 870 Extreme3 R2.0とAMD 250eの組み合わせ(記事:Windows プロセッサの電源管理)、MSI 890GXM-G65とAMD 250eの組み合わせ(記事:プロセッサの電源管理)、ASUS P8P67とIntel G860の組み合わせ(記事:Windows 電源管理 G860(2) )と3回記事にしてきた。

 マザーボードのメーカー(厳密にはマザーボードの種類と言うべきなのだろう)によって、実装の仕方が様々で実に興味深い。なかでも今回のA75M-UD2Hの実装は最高に面白い。まず第一に機能上の問題や漏れが無い。その上で、指定の仕方がヘンテコリンなものになっている。このマザーボードを担当したエンジニアがちょっとした「いたずらの置き土産」を残したとしか思えない。ということで、A75M-UD2Hのプロセッサの電源管理については拍手とともに「優」を与えたい。


 他の三者も含めた格付けを下記にまとめておく。

ASRock 870 Extreme3 R2.0とAMD 250eの組み合わせーーー>不可

MSI 890GXM-G65とAMD 250eの組み合わせーーー>良

ASUS P8P67とIntel G860の組み合わせーーー>可

Gigabyte A75M-UD2HとAMD A8-3850の組み合わせーーー>優

カレンダー
プルダウン 降順 昇順 年別

03月 | 2012年04月 | 05月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -


RSSリンクの表示
リンク
カウンター
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

最新トラックバック