プロセッサの電源管理 A10-5800K

 プロセッサの電源管理は、コントロールパネルの電源オプションの中に組み込まれていて、「最小のプロセッサの状態」と「最大のプロセッサの状態」をパーセントで設定するようになっている。これは「電源プラン」ごとに用意されていて、例えばプランが「バランス」のときはデフォルトで、5%と100%が設定されている。

 ここで設定した範囲の中で、CPUが動作するわけだが、実際の動作は使用しているハードウェアにより異なる。従って、使用しているPCの動作がどうなっているのかは、実験して確かめてみないと分からない。実験といっても大したものではない。ソフトとしては「CPU-Z」と「Prime95」があればできるし、あとは動作状態を確認するために「タスクマネージャー」を使うくらいだ。PCの消費電力に興味がある場合は、ワットチェッカーを用意しておけば、設定により、どの位消費電力が変化するのか確認できる。


 現用のAMDのA10-5800 APUを使用したPCで実験してみた。

<ハードウェア構成 >
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CPU     AMD A-Series APU A10-5800K FM2
マザーボード  GIGABYTE GA-F2A85X-UP4(BIOS F4)
メモリー    2x4GB DDR3 1333MHz(1.500V)
HDD     WDC WD EZEX-00RKKA0 SATA
ATAPI   PIONEER DVD-RW DVR219L SATA
パワーサプライ Rosewill CAPSTONE-450(80PLUS Gold)
ディスプレー  1xDVI 1680x1050+1xVGA 1680x1050
PS/2 Keyboard
USB接続マウス
Windows 7 64ビット
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<BIOS設定>
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Optimized Defaultに下記の変更を加えている。

Serial Port A  E ----> D
Soft-Off By PWR-BTTN  ----> Delay 4 Sec.
Power On By Keyboard  D ----> Anykey

注)EはEnabled、DはDisabledの略。
注)BIOSでCool'n'Quietはデフォルトで有効になっている。これを有効にしておかないと、プロセッサの電源管理は機能しない。
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(1)最小のプロセッサの状態を変化させた場合。(最大のプロセッサの状態は100%に固定)

 最小のプロセッサの状態とは、CPUの使用率が0%となっている状態のことで、そのときの動作周波数を間接的に指定するものだ。設定値ごとに、CPU倍率(CPU-Z上の(Core )Multiplier)、CPU電圧(CPU-Z上のCore Voltage)、消費電力(サンワサプライのワットチェッカーPlusの読み)を調べてみた。消費電力はPC本体のものでディスプレーは含まない。

・5%の場合  14倍、0.900V~0.912V、30ワット。
・10%の場合  14倍、0.900V~0.912V、30ワット。
・20%の場合  14倍、0.900V~0.912V、30ワット。
・30%の場合  14倍、0.900V~0.912V、30ワット。
・40%の場合  19倍、0.900V~0.912V、30~31ワット。
・50%の場合  19倍、0.900V~0.912V、30~31ワット。
・60%の場合  24倍、0.900V、30~31ワット。
・70%の場合  29倍、0.900V、30~31ワット。
・80%の場合  34倍、0.900V、31ワット。
・90%の場合  40倍、0.900V、31ワット。
・100%の場合  40倍、0.900V、31ワット。

 AMDの製品について詳しい人なら、90%と100%の場合のCPU倍率がおかしいのではないかと思うだろう。A10-5800のスペックは、Baseが3800MHzでMaxが4200MHzだからだ。F2A85X-UP4の場合、BIOSのデフォルトではCore Performance Boost(CPB)がAutoでTurbo CPBがDisabledになっている。この設定だとMaxは40倍(4000MHz)となる。


(2)最大のプロセッサの状態を変化させた場合。(最小のプロセッサの状態は5%に固定)

 最大のプロセッサの状態とは、CPUの使用率が100%となっている状態ことで、そのときの動作周波数を間接的に指定するものだ。この実験では、Prime95のtype-2 FFTを4スレッドで実行することで、CPUの使用率を100%に上昇させている。設定値ごとに、CPU倍率(CPU-Z上の(Core )Multiplier)、CPU電圧(CPU-Z上のCore Voltage)、消費電力(サンワサプライのワットチェッカーPlusの読み)を調べてみた。消費電力はPC本体のものでディスプレーは含まない。

・10%の場合  14倍、0.912V、46~47ワット。
・20%の場合  14倍、0.912V、46~47ワット。
・30%の場合  14倍、0.912V、46~47ワット。
・40%の場合  14倍、0.912V、46~47ワット。
・50%の場合  19倍、0.924V、52~53ワット。
・60%の場合  19倍、0.924V、52~53ワット。
・70%の場合  24倍、1.044V、62~63ワット。
・80%の場合  29倍、1.152V、76~77ワット。
・90%の場合  34倍、1.236V、92~93ワット。
・100%の場合  (29倍、34倍、38倍、40倍)、1.296V~1.404V、110~125ワット。

 100%設定の場合が興味深い結果になっている。29倍から40倍の間でCPU倍率がころころ変わるのだ。29倍はかなり少ない。大体は38倍か40倍だ。これはCPUのオーバーヒートで、CPUが損傷するのを回避するための機能が働いているためだ。

 この結果が示唆していることは、環境温度が高い場合や、CPUクーラーが貧弱な場合には、CPUの能力が低下するということだ。この実験は環境温度25度、CPUクーラーはA10-5800のBox品に付属のCPUクーラーを使用している。CPUクーラーを性能の良いものに交換するか、CPU電圧をBIOSで低くすることで、100%設定の場合の実質的な動作周波数が上昇する可能性が高いことを認識しておいたほうがよいだろう。


(3)変則的な設定の場合

 (1)と(2)の結果を見ると、指定の仕方によっては、最小のプロセッサの状態のCPU倍率が、最大のプロセッサの状態のCPU倍率より高い場合があり得ることがわかる。両者に60%を指定すると、最小側が24倍、最大側が19倍となるのがその例だ。こういう事例では、どういう結果になるのか実験してみた。

・最小60%、最大40%  19倍(CPU使用率0%)、19倍(CPU使用率100%)。
・最小60%、最大50%  19倍(CPU使用率0%)、19倍(CPU使用率100%)。
・最小60%、最大60%  19倍(CPU使用率0%)、19倍(CPU使用率100%)。
・最小60%、最大70%  24倍(CPU使用率0%)、24倍(CPU使用率100%)。
・最小70%、最大70%  24倍(CPU使用率0%)、24倍(CPU使用率100%)。

 という結果になった。なかなか興味深い。


(4)Core Performance Boost(CPB)の設定を変えた場合。

 BIOSのCPBの設定を変更して、最大のプロセッサの状態を100%に設定し、CPUの使用率を100%にした場合の、CPU倍率(CPU-Z上の(Core )Multiplier)、CPU電圧(CPU-Z上のCore Voltage)、消費電力(サンワサプライのワットチェッカーPlusの読み)を調べてみた。消費電力はPC本体のものでディスプレーは含まない。

・CPBをDisabledに設定し、Turbo CPBをDisabledに設定した場合。
 38倍、1.308V、109~110ワット。

・CPBをAutoに設定し、Turbo CPBをAutoに設定した場合。
 (29倍、34倍、38倍、42倍)、1.188V~1.512V、131~160ワット。この場合、CPU倍率が40倍になることはなかった。38倍、40倍、42倍というステップアップではなく、38倍に加えてワンステップで、そのワンステップが無しか(あるいは38倍か?)、40倍か、42倍かの選択という方式のようだ。


(5)まとめ

 参考までに、グラフにしてみた。

グラフ1.
a10-5800 volt

 縦軸はCPU電圧で、横軸はCPU倍率である。CPU倍率ごとにCPU使用率100%時のCPU電圧をプロットしたものだ。CPU倍率が40倍と42倍の場合は、CPU電圧が一定の範囲内で変化するのでその幅を表示している。42倍の場合は、例外的な動作になっていることがわかる。これでは、さすがにBIOSのデフォルトには出来ないので、40倍がデフォルトに採用されているのだろう。


グラフ2.
a10-5800 watts

 縦軸はワット数で、横軸はCPU倍率である。CPU倍率ごとにCPU使用率100%時の消費電力のワット数をプロットしたものだ。ワット数は一定の範囲内で変化するのでその範囲を表示している。CPU倍率が40倍と42倍では、上下に伸びている線はワット数が変化した範囲を示し、横長の四角形の部分はCPUが熱的な平衡状態に達した時のワット数の変化の範囲を示している。後者のワット数の変化は、40倍のときが111~112ワットで、42倍のときが132~134ワットだ。40倍の値に違和感を感じるが、これで間違いない。

 Core Performance Boost(CPB)、Turbo CPBが無理をした動作であることは間違いない。CPU電圧を操作しながら、間欠的なクロックアップ(とクロックダウン)をしているということだろう。


 個人的には、BIOS設定で、CPBがAutoかつTurbo CPBがAutoという組み合わせは選ばない。CPBがAutoかつTurbo CPB無効(デフォルト設定)か、CPB無効かつTurbo CPB無効のどちらかを選択する。CPU負荷が重い場合は後者を、軽い場合は前者を選択するだろう。

 プロセッサの電源管理の設定についてはどうすべきか?。最大プロセッサの状態については、消費電力を削減したい場合を除いて、デフォルトの100%で問題ない。最小プロセッサの状態については、負荷が重い場合はデフォルトの5%で問題ないだろう。CPU負荷が軽い場合は60%か70%程度にするという選択肢もあり得る。

 この実験に使用したPCは常用しているものだが、普段の設定はCPBがAutoでTurbo CPBが無効。最大のプロセッサの状態が100%で、最小のプロセッサの状態が60%となっている。CPUの使用率は、使用している時間の大部分で、10%以下だ。ワット数でいうと、35ワットから45ワット程度の間で上下するという状態だ。


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