RYZEN 5 1500X と Intel G4560

 しばらく前に、Intel Pentium G4560のレビューを目にした。


 このG4560の特徴は、2C4T(ハイパースレッディング付きの2コアCPU)で、価格が7000円前後と安いということだ。(現在在庫のない通販サイトがほとんどだが)

 ベースクロックが3.5GHzで1500Xのそれと同じというところが、この記事のきっかけだ。


 1500Xは2C4T+2C4Tという構成のCPUだが、BIOSで2C4Tという片肺構成を指定できる。この状態で、CINEBENCH R15を実行してデータをとってみた。

 
 実験に使用したPCの構成
==========
AMD Ryzen 5 1500X
BIOSTAR B350GT3 BIOS B35AS413(5.12)
Crucial 2x4GB DDR4 2400MHz Memory
Zotac GT710 2GB DDR3
OCZ ARC100 240GB SSD
WDC WD10EZEX 1TB HDD
LG BH14NS48 Blue-ray Diskdrive
Rosewill Capstone-450 Powersupply 80PLUS GOLD
2xCase Fan
Windows10 64bit
PS/2 Keyboard
USB Mouse
1xDVI 1920x1080+1xHDMI 1920x1080 Display
==========


 1500Xの主要なスペックは、2C4T+2C4T構成、ベースクロックが3.5GHz、ターボが3.9GHz、L3キャッシュが8+8MBというところだ。

 G4560は、2C4T構成。ベースクロックが3.5GHz、ターボは無し、L3キャッシュが3MBというところだろうか。

 G4560のCINEBENCH R15のCPUのスコアは、マルチで382cb、シングルで151cb程度だ。この値が比較の対象ということになる。



(1)1500XのPowerNowを無効とし、ターボを無効とした場合。

:(イ)Windowsの電源プランをバランス設定とした場合。

::4スレッド::398cb
::3スレッド::342cb
::2スレッド::255cb
::1スレッド::141cb

 4スレッドではG4560を上回り、1スレッドでは下回る。2、3スレッドの場合にはG4560のデータがないのではっきりしないが、2スレッドではG4560が優越し、3スレッドでは1500Xが優越するというところか。


:(ロ)Windowsの電源プランを高パフォーマンス設定とした場合。

::4スレッド::397cb
::3スレッド::342cb
::2スレッド::257cb
::1スレッド::143cb

 (イ)の場合とほぼ同じだ。理屈上は、2スレッドでは高パフォーマンス設定が優越するはずだが、実際には誤差程度の差しかない。この比較で、明確な差が出るようならWindows10の評価は急上昇するはずだ。


(2)1500XのPowerNowを有効とし、ターボを有効とした場合。

 この設定では、BIOSの問題か、CPUの問題かは不明だが、ターボが3.6GHzまでしか上昇しない。PowerNowが有効でターボが有効はデフォルトなのだが、このような状況のため記事上の序列を下げている。

:(イ)Windowsの電源プランをバランス設定とした場合。

::4スレッド::407cb
::3スレッド::351cb
::2スレッド::265cb
::1スレッド::143cb

 (1)の(イ)よりスコアが上昇しているのは、ターボの効果だ。(0.1GHzに過ぎないが)

 G4560との関係は、(1)の(イ)と変化ない。


(ロ)Windowsの電源プランを高パフォーマンス設定とした場合。

::4スレッド::407cb
::3スレッド::351cb
::2スレッド::267cb
::1スレッド::146cb

 (1)の(ロ)と同様だ。


 G4560は、1500Xを半分にしてターボを外したようなものなのだが、CINEBENCH R15のスコアから見ると傾向の違う製品だ。

 G4560は382/151cb、1500Xは398/143cbというスコアなのだが、これを言葉で表すと、G4560はシングルスレッド重視で、1500Xはマルチスレッド重視ということになるだろう。

 この関係は、本来の1500X(4C8T)とIntelの4C8T製品の間でも変わらない。

 一見似たような製品でも、実は似ていないというやつで、用途次第でどちらかを選択すべきものということになる。

 G4560との比較については以上で終わりだ。



 以下は4C8Tの1500XのCINEBENCH R15のスコアだ。


(3)BIOSのデフォルト設定の場合。

:(イ)Windowsの電源プランをバランス設定とした場合。

::8スレッド::814cb
::4スレッド::478cb
::3スレッド::386cb
::2スレッド::265cb
::1スレッド::151cb


:(ロ)Windowsの電源プランを高パフォーマンス設定とした場合。

::8スレッド::815cb
::4スレッド::535cb
::3スレッド::440cb
::2スレッド::308cb
::1スレッド::156cb

 これが、本来の姿の1500Xの実力ということになる。


 Intelの一世代前の製品にi7 6700というCPUがある。

 4C8Tで、ベースクロックが3.4GHz、ターボが3.7、4.0GHzというスペックで、1500Xの3.5GHZ、3.9GHzと似たスペックだ。

 CINEBENCH R15のスコアは、マルチが816、シングルが171程度だ。

 8スレッドの場合は1500Xと同水準だが、1スレッドでは171対156cbで、6700が9.6%ほど上回る。

 6700の2から4スレッドのスコアは見当たらないので推測になるが、4スレッドまでは6700がほぼ9%程度上のスコアを記録するはずだ。5から7スレッドでも、スレッド数が多くなるにつれ差が少なくなるが、6700のスコアが優越する。

 大雑把な言い方をすると、1500Xが6700と同格なのは8スレッド同時実行の時だけで、それ以外では最大9%の差をつけて6700が優越するとういことになる。

 少し違った表現をとると、6700はCPU負荷が100%以外のすべての局面で1500Xに優越する、とういうことになる。

 ゲームでは、RYZENはIntelより見劣りするという評価があるが、その原因の一つがこれだ。ゲームでは、このクラスのCPUの場合、CPU使用率が100%になることはまずない。

 バッチ処理(動画のレンダリングなどのことだ)ではRYZENが優秀というのも、これが理由だ。それらの処理では、CPU使用率が100%という場合が多いからだ。



(4)BIOSのデフォルト設定からターボを無効にした場合。

:(イ)Windowsの電源プランをバランス設定とした場合。

::8スレッド::792cb
::4スレッド::459cb
::3スレッド::362cb
::2スレッド::235cb
::1スレッド::140cb


:(ロ)Windowsの電源プランを高パフォーマンス設定とした場合。

::8スレッド::794b
::4スレッド::515cb
::3スレッド::425cb
::2スレッド::286cb
::1スレッド::143cb



 実のところ、この手の話を書くのは徒労ではないかと思っている。わかっている人は読む前から分かっているし、わかってない人はこれを見ても得るところはほとんどないはずだからだ。

 

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RYZEN 1500X その後

 Creators Updateが自動的にインストールされた後、調子が悪くなってしまったRYZEN 1500XのPCのその後の話。


 Creators Updateが自動で実行された後、Windows Updateで修正が二回入った。

 また、RealtekのLANコントローラーのドライバーの新しいバージョンが二回配布されたので、それも取り込んだ。


 結果的に多少の改善にはなったが、Creators Updateの前の状態にはもどっていない。

 他メーカーのマザーボードの場合、AGESA1.0.0.6を含んだBIOSが配布されている場合もあるのだが、BIOSTARの場合いまだに配布されていない。


 調子が悪いといっても、使いものならないというわけではないので、結構使用しているのだが、ちょっと実験をしてみた。1500Xはストックのままで、OCはしていない。


(1)
online balnce 5-100 crop

 これは1500X PCの稼働状態なのだが、Windowsの電源プランのバランス設定で動かしている場合のものだ。CPUは最低が1550MHzで、最高が3500MHz、ターボが最高で3900MHzという動作条件になる。



(2)
online balnce 5-90 crop

 これは同じく1500X PCの稼働状態なのだが、Windowsの電源プランのバランス設定の最大のプロセッサの状態を90%に変更した場合のものだ。CPUは最低が1550MHzで、最高が3000MHz、ターボはなしという動作条件になる。



(3)
online balnce 5-50 crop

 これは同じく1500X PCの稼働状態なのだが、Windowsの電源プランのバランス設定の最大のプロセッサの状態を50%に変更した場合のものだ。CPUは最低が1550MHzで、最高が1550MHz、ターボがなしという動作条件になる。


 #4、#5コアの使用率が、最大のプロセッサの状態を低くするにつれ、少しずつ上昇しているのがわかるだろうか?



(4)
online balnce 100-100 crop

 これは同じく1500X PCの稼働状態なのだが、Windowsの電源プランのバランス設定の最小のプロセッサの状態を100%に変更した場合のものだ。CPUは最低が3500MHzで、最高が3500MHz、ターボが最高で3900MHzという動作条件になる。

 #4、#5コアがほとんど使用されていないのがわかるだろうか。


 これらを、簡単に解説すると、同時に実行されるスレッドの数が、処理能力の高い状態では概ね4スレッドで、処理能力の低い状態では概ね6スレッドということになる。

 もう少し説明的に言うと、処理能力の低い状態では、ランダムに実行されるスレッドの一つづつの実行時間が長くなる。その結果同時に実行されるスレッドの数が増加する。処理能力の高い状態では、その反対になることは言うまでもない。



(5)
online ryzen 5-100 crop

 これは同じく1500X PCの稼働状態なのだが、Windowsの電源プランをAMD Ryzen™ Balanced Power Planに変更したうえで、最小のプロセッサの状態を5%にした場合のものだ。CPUは最低が1550MHzで、最高が3500MHz、ターボが最高で3900MHzという動作条件になる。

 使用率のグラフが、バランスプランと異なるのは、OSのリソース管理が別物になるからだ。



 冒頭で、あまり調子がよくないと書いたが、その調子の悪さにも、設定によって、程度の差というものがでてくる。

 程度のいいのは(5)で、程度が悪いのは(3)の場合だ。



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AlphaGo

 2017年5月27日、中国の柯潔九段とAlphaGoの対戦の第三局が浙江省桐郷市の烏鎮で行われた。


 柯潔九段は、既に二敗しているので、最終局を待たずに負け越しが決まっている。

 第三局で勝利を挙げることができるか注目されたが、AlphaGoの中押し勝ちとなった。


 これで、韓国のイ・セドル九段が、AlphaGoから一勝をあげた最後の棋士に、おそらく、確定した。


 イ・セドル九段にとって、それが名誉なのかどうかはわからないが、囲碁の愛好家の間では、イ・セドルの名前は忘れられることはないだろう。


 これからは、AlphaGoとの対戦は、おそらくハンデ戦となるのだろう。ハンデをいただくのは当然人類側だ。


 AlphaGoから、ハンデをもらってまで、対戦しようという棋士が果たしているのだろうか。



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